私たちの考え

岡山県笠岡市に小さな工房を構えるあるでばらん。

ゆるやかに流れる小田川を背に、
澄んだ空気と山陽地方ならではの暖かな太陽が降り注ぐこの地から
体が本当に喜ぶ「衣づくり」を目指して
シルクやコットンの天然素材に
薬効のある草木を手染めしています。

あるでばらんの染め物は、ただ草木の「色」を染めることではなく
古来から薬草として伝わる植物の「薬効」
いわば自然界の力を丁寧に染めこんでいることが
一番のこだわりです。

あるでばらん 薬効手染シルク製品の特長

目次
あるでばらんの始まり
肌感覚を育てる衣
触れてほしい、シルクの肌触り
布ナプキンには毒素をしっかり排出してくれるシルクを
繭に備わる天然の自浄作用とシルクの性質
植物の命を頂く薬効手染
自然と共に

あるでばらんの始まり

あるでばらんは、薬効手染の創始者である中村ふみが自身の不調から元気になりたいという思いから始まりました。
排毒に良いとされるシルクを薬効のある草木で染め、衣として纏う。
自然の不思議や神秘を、試行錯誤しながら具現化していったのが5本指靴下や腹巻、布ナプキンです。

肌感覚を育てる衣

肌感覚を育てることが、心や感性を育てることに繋がるとあるでばらんは考えます。
皮膚は人のからだの中で最も大きい感覚器です。
触れることで様々な刺激を受け取ったり
時には、目に見えない情報を感じるアンテナのような役割も果たします。
そして人は自分自身との繋がりもまた“触れる”という体験を通して気づきを深めていきます。
肌を通して感情や情緒を育てているのです。
肌感覚を育てることは、自分の心や感性を育てること。
だからこそ、もっと肌がよろこぶものに、気持ちがいいと思えるものに触れてほしい。
より繊細に、より深く。
シルク薬効手染は、自分の感覚を育てるひとつのアイテムなのです。

触れてほしい、シルクの肌触り

シルクといえば、光沢があってしっとり滑らか。
そんな想像をなさる方が多いかもしれません。
しかしシルクは繭の種類や糸の長さ、織り方などにより様々な生地が存在します。
あるでばらんは、部位や目的によってシルクの糸選びから、時には織り機にまでこだわり
使われる部位や目的によって染める素材を選んでいます。
特に布ナプキンのシルク選びには時間をかけ
排毒効果が一番良いと思われる、やや硬さの残るシルク糸を選びました。

布ナプキンには毒素をしっかり排出してくれるシルクを

繭から製糸された生糸は、最初は硬くごわごわしているのをご存じでしょうか。
これは、シルクに含まれるタンパク質、セリシンによるもの。
セリシンは繭を形作るための硬くてハリのある成分です。
一般的な光沢のある滑らかなシルク生地は、精錬という工程でセリシンを取り除いています。
しかし、このセリシンにはコラーゲン以上の吸着性と高い保湿性が含まれるため
あるでばらんの布ナプキンには、シルク本来の恵みであるセリシンを通常よりも多く残した
タイシルクのシルク糸を採用しています。
セリシンが残ることで、ほんの少しだけ肌触りは硬く感じますが、
肌を適度に刺激し、より排毒を助ける生地になると私たちは考えます。

繭に備わる天然の自浄作用とシルクの性質

蚕は幼虫から一度繭に籠ると、羽化して成虫になるまで外に出ることはありません。
まるで子宮のように子供を守っている繭の中は
乾燥し過ぎず、多湿にならず、適温を保つ天然の自浄作用を備えた最高のシェルターです。
シルクに殺菌・滅菌、紫外線防止の効果があるのもうなずけます。
そんな繭から作られるシルクは人間の皮膚に一番近い天然繊維といわれています。
驚くことにシルクは人体に存在する20種のアミノ酸のうち18種を兼ね備えています。
さらに人とほぼ同じアミノ酸組成になっていることから肌にとてもやさしいのです。
自分の肌と同じだと思うと、なんだかとても丁寧に大切に扱いたくなりますね。

植物の命を頂く薬効手染

薬効手染とは、ただ草木の色を染めることではなく草木の持つ薬効を染めること。
私たちは自然界のエネルギーを布に丁寧に染めこんでいます。
そしてこれが、染の本来の姿ではないかと思っています。
茜、丁子、枇杷、楠、うこん、藍、蓬など
これらの植物は、古くから治療薬として人々の健康を支えてきました。
肌を通じてこれらの植物の光や薬効を体に取り込んで、より健やかな「私」になっていただきたいと思っています。

自然と共に。

肌感覚を育てるためには、すべてが天然であること、肌にストレスをかけないことが重要です。
そのため私たちは、あらゆる制作過程で、化学物質や精製物を使いません。
薬効手染は、天然繊維に薬草と灰汁や米酢、木酢鉄による安全な媒染剤で染色を行っています。
また全ての工程の中で使用する水には塩素などが入った水道水は使わず、
アルカリイオン水や井戸水、ナノバブル化された地下水を使用しています。
精錬という染色前に衣類に付着した汚れを取り除く作業では、化学的に合成された成分が入っていない純石けんを使用します。
天然の恵みがいっぱいの身体がよろこぶ染め物なのです。