薬効手染とは?

あるでばらんの薬効手染やっこうてぞめ

あるでばらんが選ぶ染料は、古来より薬草として人々の生活に寄り添ってきた天然の植物です。
例えば、明るいピンク色の茜には浄血作用や血行促進の効果があると言われ昔から腰巻を染める材料に使われました。
枇杷は万病に効く薬と言われ、お寺によく植えられていた日本人には馴染みの深い植物です。

私たちは色合いの美しさだけでなく、その植物の持つエネルギーと薬効成分を身に纏って頂きたいと考えます。
そのため、染料を繊維に定着させる媒染剤にも灰汁や米酢、木酢鉄による伝統的な手染め材料を用い、
草木の美しい色と薬効成分を深く布地に染み込ませるよう、時間をかけて丁寧に染め重ねています。
薬効が布に移ると、染めはさらに鮮やかに美しくなり、布は強さを増していくのです。

徹底した下処理

シルクもネルも縫製や染色前に徹底した精錬、湯洗い、水洗いをおこないます。
そのため洗濯による布の縮みがありません。
またこの過程を経ることで、布を織る際に使われる糊や油脂などの汚れも残っていません。
お買い上げ後、すぐにお使い頂くことも可能です。

水へのこだわり

すべての工程の中で使用する水は、塩素などが入った水道水は使いません。
アルカリイオン水や井戸水、ナノバブル化された地下水を使用しています。

用途に応じた素材選び

あるでばらんでは、用途に応じて薬草や媒染の素材を選んで染めています。
例えば、ソックスやハラマキは、選べる染が茜、枇杷、よもぎ、丁子、藍、ウコンなど複数ありますが、
布ナプキンは現在、茜、枇杷、よもぎの3種類。
デリケートな部分に触れる布ナプキンには、その用途にあった薬草を選び染めています。
また、媒染に灰汁を使ったもの、木酢鉄を使ったものなど、染色方法が違う場合も製品に記載していますので
染めに敏感な方なども安心してお選びいただけます。

繊細な手染め作業

手作業で行われる染めの工程は、気温や湿度、生地による浸透率の違いなど
一瞬のタイミングで仕上りが左右されます。
植物の色艶や匂い、味、染液や布の雰囲気といった細かな部分を感じながら五感を研ぎ澄ます
染料と布に向き合う作業となります。
まさに染職人のこれまでの経験と勘がものをいう重要な部分です。

染色液は、同じ薬草を1番液、2番液、3番液・・と何回も煮だします。
それは植物のパワーを余すことなく抽出したいから。
均等に繊維の奥まで深く染めるため、繰り返し染め重ねる手間も惜しみません。

それぞれの製品用途によって適切な薬効バランスがあると考える私たちは、
そのバランスに即して煮だした染液を混ぜ合わせ、染液を作ります。
布ナプキンは陰部粘膜の経皮吸収率がとても高い部分に直接当てるもの。
そのため、女性の身体への影響を考えて、薬効が特にやわらかく働くように調整をしています。

気持ちが伝わる薬効手染

作り手の想いは、目に見えなくとも相手に伝わるものです。
相手を思って作られたごはんがおいしいように、整った心で染めた布は、優しい光のように美しく仕上がります。
薬効手染は、染め手の心を整えることがとても大事だと考えています。

自分の身体と向き合えるきっかけに

身につけているうちに 染め色が抜ける部分や変色することがあります。
あるでばらんは、薬効がそこから体の中に入ったから、そしてシルクが身体の老廃物を吸い取ったからと考えています。
自分の身体からの、ひとつのサインだとお考え頂ければ幸いです。

染め選びに悩んだら

どれを選んだらいいのかわからない。そんな時には、それぞれの植物の薬効や働きといった情報をもとに
お選びいただいてもいいのですが、あるでばらん式の選び方もぜひお試し頂ければと思います。
自分の体に尋ねてみるのです。
布に触れていなくても大丈夫。それぞれの染めを身につけてる自分をイメージしてみて。
自分の体がどう反応するかを感じてみてください。
きっと、微妙かもしれませんが、染めによって感じる暖かさや心地よさに違いがあると思います。
一番暖かく、心地よく感じられた染めが、今のあなたの体が求める染め=薬効です。
「私にはわからない」と思わないことが、分かるコツ。

あるでばらんが選ぶ天然素材とその効能


茜 あかね

浄血 血行促進 体温の上昇 体全体の活性化

古くは、万葉集にも詠まれる薬草。
茜の持つ、止血や解熱、血液浄化といった効能から、女性の体を守る薬草として、
肌に直接触れる産着や肌着、腰巻などを茜色に染める習慣がありました。
漢方では、通経、浄血、解熱、強壮薬などに使われています。


枇杷 びわ

排毒 免疫系の強化

びわは葉、樹皮、種も薬用とされインドの仏典には万病を癒す植物、薬草薬木の王様と記述されています。
日本ではおよそ1500年ほど前に、病に苦しむ人々の救済のために天皇が施薬院を作り、ビワの葉を患部に当てるという
ビワ葉療法が用いられたそうです。
腰痛やリウマチの痛み、皮膚病や喘息、アレルギーなど様々な慢性疾患に有効だと言われています。


蓬 よもぎ

血液循環や自律神経の調整、抗菌・抗酸化作用

各地の山里に自生する最も身近な薬草の代表格。
生葉の汁を傷口につけて止血や消毒をしたり、お灸のモグサとして利用するなど民間療法でも重宝されています。
また、冷え症や生理痛の緩和、免疫力の向上や安眠を促すなど、その数多くの効能は世界中の人々に知られ、
古くから”婦人の妙薬”として使われてきました。フランスでは「エルブ・ロワイヤル」(王の草)、アイヌでは「カムイ・ノヤ」(神の草)、中国では「医草」「愛の草」などと呼ばれています。


丁子 ちょうじ

殺菌作用 発汗 波動調整

香辛料のクローブとして広く知られる丁子。
その歴史は古く、正倉院に輸入薬草として残り、源氏物語にも丁子染が登場します。
抗炎症作用や抗菌、抗ウイルス作用があるため、芳香性健胃薬として、整腸、鎮痛、鎮静にも用いられます。


鬱金 うこん

整腸・交換神経の活性化

カレーに不可欠なターメリックとして広く知られるうこん。
インドでは、抗菌作用が強く肝臓の働きを助ける香辛料として料理に使われる他、
うこん染めは、その防虫効果もよく知られています。
また、気の滞りを解消して、瘀血を改善する漢方にも用いられています。

きはだ
ミカン科の落葉樹。幹のコルク状の外皮を剥ぐと黄色い内皮があり、
それを乾燥したものを漢方では使用します。
苦味健胃剤として、腸内殺菌や消化不良に用いたり、解熱や収れん剤としても使用されます。


藍 あい

抗菌 排毒 免疫系の強化

藍染された糸や布は、丈夫で防虫や防火の効果に優れることが知られ、その昔は火消し装束や鎧等にも用いられていました。
また、生葉は解熱、解毒、消炎に役立つ薬草として、肌荒れや虫刺され、痔、喉の痛みなどにも効果があるといわれています。


楠 くす

精神の安定 体のバランス調整

各地の神社のご神木としてもなじみ深い樹木。
木材部を蒸留すると、そこから衣類の虫除けの原料となる樟脳と樟脳油が生成されます。樟脳が精製された精油は、アロマセラピーではカンファーとして利用され、そのシャープな香りは刺激性と同時に鎮静・リラックスにも働くとされています。


灰汁 木酢鉄 米酢

天然の媒染剤。媒染剤は染料を繊維に定着させる材料です。
灰汁は、木の灰に熱湯を注いで強いアルカリ液にしたものです。昔から媒染剤として使われ、その後の灰は焼き物の釉薬に使われました。
木酢鉄は、古くから黒染、茶染、鼠染に利用されていた鉄媒染液です。概して植物の作用が強くなります。